質屋を利用する際にかかる利息を解説!利息をお得にする方法を紹介
- info0598431
- 5月26日
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更新日:6月10日

質屋でお金を借りる際、質入れを利用することで融資を受けられます。
質入れは買取とは異なり、あくまでもお金を借りることになるため元本以外に利息を負担しなければなりません。
そこで、利息がどの程度かかるのかをしっかりと把握しておかないと、お金を借りた後に大きな負担を強いられかねません。
では、質入れを利用した際にかかる利息にはどのような決まりがあるのでしょうか。
本記事では、質屋を利用する際にかかる利息について徹底解説します。
質入れで発生する利息は質屋営業法で定められている

質入れにおいて発生する利息のことを、質料と呼ばれています。
利息を含め、質入れに関しては質屋営業法を遵守しなければなりません。
ここでは、質屋営業法において利息に関するルールを見ていきましょう。
利率の金額について
質入れ利用時にかかる利息の利率については、質屋営業法では以下のように規定されています。
第三十六条 質屋に対する出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)第五条第二項の規定の適用については、同項中「二十パーセント」とあるのは、「百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)」と、同法第五条の四第一項中「貸付け又は保証の期間が十五日未満であるときは、これを十五日として利息又は保証料の計算をするものとする。」とあるのは、「月の初日から末日までの期間(当該期間の日数は、その月の暦日の数にかかわらず、三十日とする。)を一期として利息を計算するものとする。この場合において、貸付けの期間が一期に満たないときは一期とし、二以上の月にわたるときは、そのわたる月の数を期の数とする。」とする。
以上を要約すると、質入れでかかる利息は年利109.5%となり、月利では9%の利率です。
ここで注目したいのが、銀行などで融資を受ける際にかかる利息よりも高い点です。
金融業で決められた利息制限法と比較した場合、以下の違いがあります。
| 年利 |
質入れの上限金利 | 109.5% |
利息制限法における上限金利 | 3.0%~18.0% |
以上のように、利息制限法は借りる金額に応じて金利が変動する仕組みがあり、より多くの金額を融資してもらう場合は最低年利3%で利用可能です。
それを考えると、質入れの年利は非常に高いことが分かります。
しかし、あくまでも上限年利としての比較であり、質屋ではより低い金利を設定しています。
利息計算の方法

質屋営業法では、利息の計算方法に関して以下の規定があります。
第三十六条
質屋に対する出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)第五条第二項の規定の適用については、同項中「二十パーセント」とあるのは、「百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)」と、同法第五条の四第一項中「貸付け又は保証の期間が十五日未満であるときは、これを十五日として利息又は保証料の計算をするものとする。」とあるのは、「月の初日から末日までの期間(当該期間の日数は、その月の暦日の数にかかわらず、三十日とする。)を一期として利息を計算するものとする。この場合において、貸付けの期間が一期に満たないときは一期とし、二以上の月にわたるときは、そのわたる月の数を期の数とする。」とする。
実際の利息を計算する方法として、満月計算と暦月計算があります。
それぞれの計算方法や特徴については、以下のとおりです。
①満月計算
満月計算とは、預け入れをした日にちが基準となって、その翌月の同日を1ヶ月、翌々月の同日が2ヶ月と設定する方法です。
例えば、1月20日に質入れした場合は2月20日までが1ヶ月、3月20日までを2ヶ月となります。
後述する歴月計算では2か月分必要になるところが、満月計算では1か月分で済む場合があるため、利用するタイミング次第ではお得になる計算方法です。
②暦月計算
暦月計算は、暦の月単位をそのまま質入れ期間として計算する方法であり、暦月の1ヶ月は1日からスタートします。
1月20日に質入れした場合、最初の1ヶ月は、1月1日から1月31日までとなって、2月1日から2月末日までが2ヶ月目となります。
もし1月20日に質入れした後、2月20日に品物を受け出すケースでは2か月分の質料がかかってしまうのです。
満月計算と比較して、毎月末が返済日となる関係上、返済日が管理しやすいメリットがあります。
一方、借入日が月末に近い場合の1ヶ月目がとても短くなるので、質入れするタイミングは可能な限り月初に行った方が有利になる計算方法です。
利息の掲示について
利息については、質屋として掲示する義務があります。
質屋営業法では、啓示について以下の規定があります。
(掲示)
第十六条 質屋は、次の事項を営業所内の見やすい場所に掲示しなければならない。
一 利率
二 利息計算の方法
三 流質期限
四 前三号に掲げるもののほか、質契約の内容となるべき事項
五 営業時間
利率と利息計算方法は、質屋の事業所内の見やすい場所に掲示することが要求されています。
これは、利用者に対して質入れの利用条件を明確にするための対応です。
利用する際には、掲示物で利率や利息計算方法をよく確認しましょう。
質入れの利息は質屋によって異なる

質入れの利息については、質屋営業法により上限が定められていますが、実際の利息は上限範囲内で各質屋が設定します。
Kagiyaでは、融資額に応じて以下の金利を設定しています。
融資額 | 金利 |
1000万円以上 | 1.5% |
100万円以上~1000万円未満 | 2% |
50万円以上~100万円未満 | 3% |
10万円以上~50万円未満 | 4% |
10万円未満 | 5% |
1000万円以上と高額な融資になる場合、金利1.5%ととても低い金額で融資を受けられるのが特徴です。
また、10万円未満でも5%の金利に設定されており、質屋営業法で定められているより低い設定で融資を受けられます。
鍵屋では、お得な金利を設定しており、より有利な条件で融資を受けられる点が魅力です。
質入れの利息の返済方法

質入れにおける利息ついては、基本的に返済する必要があります。
もし返済できないと、預けた品物が質流れと呼ばれる質屋の所有物となり、取り戻せなくなるので注意が必要です。
ここでは、質入れにおける利息の返済方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
基本的には元本と利息を合わせて返済する
質屋の利息の支払いについては、3ヶ月に一度後払いする必要があります。
質入れした日に借入れ期限が決まることはなく、元金一括返済しなければなりません。
返済期限については、特に質屋側からの通知はなく自分で管理しなければならない点に注意しましょう。
返済期限は、融資を受ける際に受け取った質札に記載されています。
利息だけを支払えば返済期間の延長が可能
元本を支払う余裕がないものの、品物を失いたくない場合は借入期限内に利息分だけを支払えば借入期間を延長することが可能です。
利息分だけを返済する場合、元本の金額としては一定であり、延長する度に同じ金額を支払うことになります。
返済方法は基本的に現金払いまたは銀行振込となる
質入れの利息については、基本的に質屋に訪問して現金で支払うか、指定の口座に振込対応する必要があります。
指定期日までに振り込まないと、質流れとなってしまうので注意しましょう。
質入れの場合、銀行引き落としやクレジットカードでの返済はできません。
返済期日を守るだけでなく、返済するためのキャッシュの確保も抜かりなく行ってください。
質入れの利息に関するよくある質問

ここでは、質入れの利息に関する以下5つのよくある質問を紹介します。
質料には何が含まれている?
利息は代理人が支払っても良い?
利息の計算方法は自分で選択できる?
銀行振込で利息を支払った場合は連絡が必要?
質札を無くしてしまい返済日が分からなくなったらどうすれば良い?
各質問に対する回答も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Q1.質料には何が含まれている?
質料には、利息以外にも品物を預かるための管理コストや保管量などが含まれています。
基本的には、最初に定められた質料が延長する際にも継続されます。
Q2.利息は代理人が支払っても良い?
利息については、代理人が返済期日までに支払う形でも特に問題ありません。
質屋で現金により支払う際には、契約時の質札を持参することで支払いが可能です。
質屋によっては、代理人が支払うために委任状が必要になる場合もあるので、よく確認して必要な場合は準備しましょう。
Q3.利息の計算方法は自分で選択できる?

質入れ時に利息を計算する方法は、自分では選択できません。
質屋で満月計算と暦月計算のどちらかの方法が事前に決まっており、その方法に従って計算されます。
よって、自分では選択することはできず、質屋としてもケースに応じて計算方法を変えることはありません。
Q4.銀行振込で利息を支払った場合は連絡が必要?
銀行振込で期日内に振込が完了しても、基本的に振込完了した旨を連絡する必要はありません。
多くの質屋では、口座の取引内容をチェックしており、特に連絡しなくても振り込まれたことが確認できるようになっています。
しかし、質屋側が確認を容易にするため、振込時に振込人名義で指定された文字を入れるなどの対応が必要になる場合があるので、指示に従って対応してください。
Q5.質札を無くしてしまい返済日が分からなくなったらどうすれば良い?
質札は、借入金を返済した後に品物を受け戻すときに必要なものです。
金利や返済日なども記載されていますが、もし紛失した場合は基本的に再発行してもらえません。
もし紛失してしまった場合、早急に質屋に連絡して返済日を確認しましょう。
また、質札を拾った人が品物を引き取らないためにも、すぐに質屋に連絡することが重要な行動となります。
利息を意識して最適な質屋を選定しよう

質入れでよりお得に融資を受けたい場合、利息を強く意識する必要があります。
利息については、法律で上限は定められているものの、質屋によって異なります。
質屋で設定された金利をよく確認して、より低い金利に設定されている質屋を選びましょう。